2008年シーズン、なんとか残留を決めたサンガは、これからのJ1定着に向けて強力補強を敢行します。
この年から導入されたアジア枠には韓国から李正秀(イ・ジョンス)を獲得。
柏レイソル、東京Vで活躍していたディエゴ・ソウザを多額の移籍金を投じて獲得。
当時、移籍金は5億とも報道され、本気の補強をサンガ、加藤Qさんから感じながらシーズンを迎えることとなりました。
高卒で中村充孝、守田達弥の獲得に成功しており、上々の移籍市場となりました。
サッカーの質としても、前年の終盤に見られた4CB戦術から、堅守速攻をベースに渡邉大剛を主としたサイド攻撃、柳沢を起点とした攻撃、ディエゴをキッカーとしたセットプレーなど戦術面の成長が見られました。
このシーズンの印象的な試合としては、
19節のホーム川崎フロンターレ戦
16節アウェイ清水エスパルス戦を挙げたい。
川崎フロンターレ戦は当時ジュニーニョ、鄭大世、我那覇の強力3トップ、キーパーには日本代表川島、中盤には後の川崎のバンディエラ中村憲剛、ディフェンスは川崎山脈と称される鉄壁で、2009年シーズンは2位でフィニッシュするチームです。
そんな川崎にホームであっさりと矢島卓郎(後にサンガに加入)に先制を許すも、PKで同点とし、まずはアンちゃんのミドルで逆転!
からのディエゴの右足ミドル(利き足は左)でダメ押し!
そして試合中に見たことのないような全力ダッシュでサポーターのもとへ!
熱い!!こういう試合を見てしまうと、ファンになっちゃいますよね。
もう一つはアウェイ清水エスパルス戦
この試合は現地で見ていましたが、前半を1−3で折り返して諦めムードでしたが、高速カウンターからの渡邉大剛!
終了間際ラストプレーでの李正秀弾!
引き分けでしたが実に熱い試合でした!
試合後、スタジアム周辺でエスパルスサポーターが「サンガ強かったなー」と遠くで言っていたことがとても印象に残っています。
シーズン序盤はこんないい試合がよく見られましたが、シーズン終盤戦は順位表の下を見ながらの戦いとなり、
順位に比例するようにディエゴも勝手にポジションを下げていき、最終的にはボランチや最終ライン付近までボールをもらいに来て、戦術もなにもない良い選手を並べただけのディエゴ中心のチームになっていました。
それでも2シーズン続けてJ1に残留し、サンガにとってはホッと胸を撫で下ろすようなシーズンでした。
ただし、加藤さんは本当にお金を使って選手を連れてくるのはうまいですが、ほぼ活躍できずに豊田を夏にサガン鳥栖へレンタルで手放し、ディエゴ・柳沢・パウリーニョの共存が実現できずにパウリーニョと喧嘩別れ?をし、守備は構築できるが攻撃が個人頼みなど、選手を活かせないんよなーという現実を見せられたシーズンでもありました。
また完成したいい選手を獲得できる一方で、後にアルビレックス新潟へ移籍して活躍するGKジャンボ守田や鹿島で柳沢の13番をつけることになる中村充孝などをなんとかJ1でうまく育てられなかったか、、、とも振り返ると思ってしまいます。