【総括】
J1のステージで3シーズン目を迎えた2023年、よく勝ち、よく負けたシーズンとなった。
13位、12勝4分18敗で勝ち点40で前年から勝ち点を4積み上げることができた。
何より勝利が8試合から12試合に増えた点はサポーターとしても嬉しい限りだ。
負けに目を向けても18敗と降格した横浜FCについで2番目の多さとなったが、そこまで気にしていない。
なぜなら弱々しい試合がなかったからだ。
負け試合も溌剌とサンガスタイルで挑み続けることができたことに意味があったシーズンだったと思う。
サンガスタイルを継続できた背景は、1チーム降格のレギュレーションが大きく影響していたと思う。
本来の下位3チームに降格の可能性があれば、最終的には16位ガンバ大阪と勝ち点6差がついているが、シーズン終盤にチーム、監督、選手に与えた影響は大きかったに違いない。
サンガの歴史が物語っている。同じ戦いは選択できなかったであろう。
特にレギュレーションが3チーム降格だった場合、終盤3試合の川崎F、C大阪、横浜FMの上位陣との戦いに、前からプレスに行けていたかは疑問符がつく。
ほぼ降格の可能性がない状態で残りの3戦をサンガスタイルで戦えたからこそ、2勝1分でシーズンを終えれたと思う。
サンガスタイルを出せば、J1でも十分に戦えることを証明した2023年シーズン
ぜひ来季はもう一つ上のステージである一桁順位でサンガスタイルを発揮してもらいたい。
【キャプテン川﨑】
今年のサンガは21歳、クラブ最年少キャプテン就任で始まった。
まず、曺監督らしい人選だったと思う。
将来の遠藤航の育成を目指しているなと、直感した。
川﨑選手と曺さんには時間が限られている。
パリ五輪での選出が有力視され、本人の海外志望もつよい。
順調に行けばパリ五輪後の2024年夏の移籍市場で海外に羽ばたくべき選手だ。
彼の将来、成長のためにここでキャプテンを経験させ、あの経験は貴重だったと本人が感じるだろう。
曺さんからすれば、私が育てた選手としての価値も上がる。
そんな青写真が曺監督にはあったのではないかとファン心に妄想してしまう。
では、シーズンを通しての川﨑選手はどうだったか振り返りたいと思う。
個人の感想としては、開幕戦や負けが混むと、
とにかく表情が硬い。固い。硬直。
眉間に皺を寄せ、険しい表情でピッチに入場する映像が開幕2試合は特に感じられた。
これがキャプテンの重圧か、もっと楽しめ!と老婆心に思ってしまったが、第3節に自ら今シーズンチーム初得点を挙げ勝利に導いた彼は本当にかっこよかった。
さすがキャプテン!そう感じさせてくれた。
ここから次第に硬すぎる表情でのピッチ入場はなくなっていき、チームも勝ちを順調に勝ち点を積んでいったが、ゴールデンウィーク11節の川崎Fから16節の広島戦までの6連敗はサポーター的にはかなり苦しかった。
しかし、連敗中の5月25日、まさかのキャプテン川﨑颯太日本代表選出!
選出を知った時は、サンガのゴールが決まったかのような感覚が脳内を駆け巡った!
A代表をサンガで遡ると、久保裕也以来かな?
サンガ2023年を語る上で最高のビックサプライズでしたね。
改めておめでとう!
そんなビックニュースもありながら連敗は続き、さて我らのキャプテンを気持ちよく勝って、さらには連敗を止め日本代表に送り出せそう!という試合だったアルビレックス新潟戦、悲劇が起こった。
2023年シーズン序盤の絶好調男、新潟の伊藤涼太郎がやってしまった。
自身のシントトロイデンへの移籍が決まっており、彼にとってのJリーグ最終試合で新潟は1-3で負けた状況でロスタイムを迎えていた。
映像がなくうろおぼえだが、伊藤のクロスかパスがサンガにカットされ、最終試合で結果を残したい伊藤がボールホルダーの川﨑に後ろから無謀なスライディングを敢行。
川﨑は怪我をしてしまい、A代表には合流するも別メニュー調整。
結果ペルー、エルサルバドル戦に出場することはなかった。
伊藤選手の気持ちもわかるが、その後彼が2024年に代表に選出され、プレーもしていたが、サンガサポーター心に応援はできない選手となってしまった。
立つ鳥跡を濁した状態で非常に残念な新潟戦であった。
しかし、ここで頭角してきたのが金子大毅選手だ。
個人的に19節以降のチームMVPは彼に違いない。
川﨑に変わってアンカーのポジションに入ると、守備時にいて欲しい場所にいる。相手の起点を潰せる。
攻撃時にディフェンスからもらったボールを相手が来ていても前に向くことができる。
縦パスの意識が高い。
ボールロストが少ない。
そして闘える。
明らかにサンガのクオリティを1段階あげた選手だと思う。
昨シーズンここまでの選手ではなかったと思うので、昨シーズンサブ中心でも腐らず、成長したと思うと感慨深い。
そして金子選手のアンカー起用が固定化され、川﨑キャプテンは一列前のインサイドハーフで出場するようになった。
ファンの掲示板では、曺監督が川崎を海外でアンカーをさせるにはサイズが足りないから1列前で使っている。攻撃力強化のためなどの意見が散見されたが、金子選手のアンカーぎ良すぎた。
川﨑がチームバランスで1列前に押し出された形かと思う。
だが、インサイドハーフの川﨑は果たして代表に選ばれるに値する選手かと問われると、インパクトが足りず、もっと他の選手がいると感じてしまった。
実際に復帰後に代表に選ばれず、Jリーグ勢ではレッズの伊藤選手や広島の川村選手がMFとして選ばれている現状となっている。
それでも未来ある22歳のプレイヤーであることは間違いない。
まずはパリで結果を残し、欧州に羽ばたき、順風満帆の2024年にして欲しい。
そして将来的には遠藤航のように日本代表でキャプテン、リバプールでレギュラーなんて夢を見させてもらえれば最高だな。
がんばれー!!
原大智の夏の加入や、白井の移籍からの福田の台頭、左WGの最適解、豊川の10点、パトの10点など、書きたいことはあるが、時間がないのでまた今度書けたら書こう。